これからの介護業界の展望
社会の高齢化にともない、医療・福祉・介護分野の仕事のニーズが高まり続けています。サービス内容も多様化し、業界では社会のニーズに応えるため、積極的に求人を行っています。特に介護分野は比較的新しい事業のため、常に人材不足の傾向があります。
これまで民間主導で進んできた介護事業ですが、社会においてますます需要が増えていくことを考えると、今後は行政側からのバックアップも積極的に行われるようになるでしょう。未来の社会を支える重要産業のひとつになることは間違いなさそうです。
仕事内容は決して甘くなく、待遇でも厳しい面が見えますが、介護の仕事に就いている現場の人々は、仕事を通じた社会への貢献や、社会人としてのキャリアアップを実感しながら、充実感をもって自分の仕事に向き合っているようです。自分の将来を前向きにとらえ、長く現役で活躍したいと考える方には、魅力的な業界です。そんな介護業界においてキャリアが確立されているケアマネージャーの仕事について、詳しくみていきたいと思います。
ケアマネージャーの仕事内容
ケアマネージャーは、介護の現場におけるマルチプレーヤーです。業務内容には大きく３つの面があります。
１）介護認定に関する業務
現在、介護にかかる費用に対しての補助を受けるには、地方自治体から「介護を要する状態だ」という認定が必要です。介護認定申請や更新に関わる手続き代行は、ケアマネージャーの役割です。また、市町村から委託を受け、介護認定の調査員となることもあります。
２）介護プランの作成業務
介護を必要とする人それぞれの状況にあった介護計画を作成する仕事です。保険内で効率よく満足度の高い介護内容を考えることが重要なポイントになります。介護保険制度を熟知した上で、利用者の希望を取り入れ、臨機応変な対応が必要となります。
３）サービスに関するコーディネート業務
実際に介護にあたるヘルパーの調整、施設と利用者のマッチング、サービス状況のモニタリングなど、介護サービスの利用者と提供者の間にたつ様々な業務があります。監督者としての資質も問われる仕事です。
このようにケアマネージャーには、サービスの提供側と利用者側、相互の立場での仕事があるため、誠実で公正に業務に臨む態度が求められます。どちらの立場にあっても、ケアマネージャーの本分である「介護支援者」という役割を一番に考えることが大切でしょう。
ケアマネージャーの就職先
ケアマネージャーの仕事内容が様々であるように、活躍できる場も色々あります。地方自治体の管轄内の施設、たとえば役所の中の介護支援関連の部署や保健所などで、認定に関わる業務や介護を希望する人々の相談窓口といった仕事に就くケース。
また、介護サービスを提供する企業で、コーディネーターとして働くケース。その他、医療機関やケア施設などあり、今後もますます活躍の場は広がることでしょう。
ケアマネージャーの仕事には、決まった手順で対応できることはありません。どんな現場でも求められるケアマネージャーは、様々なケースに臨機応変に対応できる人ということになります。臨機応変な対応を可能にするのは、現場での経験以外にありません。そのため、経験を積むほど、ケアマネージャーとしての信頼度が高まるということになります。
働き口に幅があり、就業年数に応じて求められるキャリアとなれるケアマネージャーは、ある程度年齢を重ねた方が、将来的に長く活躍できる職として目指す場合が少なくありません。高齢化社会を目の当たりにして、年齢に関係なく経験を積みながら仕事を続けていける道を求める人が増える傾向にあるようです。待遇面でまだまだ厳しいように見える介護業界ですが、将来的な発展が期待できる職場のひとつといえそうです。
ケアマネージャーになるためには
仕事内容を見てもわかるように、ケアマネージャーは一朝一夕で役割を果たせるようになれる職業ではありません。「ケアマネージャー」という肩書きをもって働くには、資格を取得する必要があります。資格を取るには、都道府県が監督する「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、実地研修を受けた上で、晴れて「ケアマネージャー」の認定を受けられます。
ケアマネージャー資格試験を受けるための条件もあります。まずは、保険・医療・福祉の国家資格を持っていれば、受験資格保有者となります。対象となる資格は結構ありますので、インターネットなどで調べてみましょう。
対象となる国家資格を有していなくても、保険・医療・福祉の現場での実務経験が５年以上あれば、同様に受験資格保有となります。かならずしも継続した５年である必要はないようです。また、福祉相談員や、ホームヘルパー研修修了者など、経験対象となる職務はかなりあります。関係しそうな職務経験がある方は、詳しく調べてみるといいでしょう。
いざ受験を目指す方には、通信講座や市販の教材がそろっています。インターネット上に公開されている情報なども利用すれば、独学でも無理なく目指せる資格です。
将来のケアマネージャーを目指して
ケアマネージャーという仕事に興味がある、でも資格試験を受ける条件がそろっていない…そんな方もあきらめることはありません。将来的に介護業界で責任のある仕事を担うという目標をもったら、まず介護に関わる仕事の経験をしてみるといいでしょう。介護サービスを提供する立場で利用者と関わることで、介護支援の実際を知り、いい面ばかりでなく問題点にも目を向けることで、目指すケアマネージャー像を具体的につくりあげていけるでしょう。また、先輩ケアマネージャーの活躍する姿を見て勉強できるチャンスも得られます。
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